三岐鉄道 三岐線の終点駅

(2016年11月)
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三岐線は貨物輸送も盛んですが、この駅までは貨物の運行がないため、静かな山あいの終点駅の感じです。三岐線で使用されている車両は、元・西武鉄道からの譲渡車で統一されており、停車中の101系(105F)は、元・西武鉄道401系で、1994(平成6)年に移籍しています。
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2001(平成13)年の三岐線・開業70周年を記念して、翌年には蒸気機関車の形をしたユニークな駅舎に建て替えられました。

三岐線は、近鉄富田-西藤原間26.5kmで、駅は1931(昭和6)年の開業です。1時間に1~3本の運行。(引用:Wikipedia)
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折り返しの電車の先頭付近に、26.5kmの距離標を見つけました。 / ホームは島式1面2線ですが、1線のみの使用で、単純に到着した電車が折り返して行きます。

≪テーマパーク・ウィステリア鉄道≫
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2001(平成13)年、開業70周年を記念して蒸気機関車のテーマパーク「ウィステリア鉄道」がオープンしました。駅ホームの1面2線のうち、1線を保存車両の展示に充てており、保存されている車両は、蒸気機関車E102、電気機関車ED22-2、ディーゼル機関車DB25号機の3両です。
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開業時に活躍されていたSLが静態保存ながらも現存することが素晴らしいです。このSLが存在していなかったら、「ウィステリア鉄道」保存コーナーは実現されなかったと思います。

≪E102 経歴≫
1931(昭和6)年の開業時に新造されたE101形蒸気機関車2両のうちの1両で、大阪の汽車製造会社で造られ、22年半の間、三岐線で活躍しました。昭和29年に大阪窯業セメント株式会社(現在は住友大阪セメント)・伊吹工場へ移籍し、入換用機関車として活躍し、廃車後も同工場で保管されていました。2001(平成13)年、三岐線開業70周年の際に、里帰りでここに保存されています。

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1937(昭和12)年、ED22形電気機関車は私有鉄道で活躍していましたが、路線等の国有化で「ED22」形電気機関車へ改称・改番されています。「ED22」形電気機関車は3両存在していますが、「1」は弘南鉄道で車籍を有しており、「3」は松本電鉄(ED30-1に改番)で静態保存されています。

≪ED22-2 経歴≫
大正15年にアメリカから輸入した小型機(ボールドウィン・ロコモティブ・ワークス=機械部分&ウェスティングハウス・エレクトリック社=電気部分)で、信濃鉄道1形電気機関車として松本-信濃大町間で活躍し、1937(昭和12)年に信濃鉄道の国有化に伴い、ED22-2 へ改称・改番されています。

1943(昭和18)年に飯田線へ転属になり、1956(昭和31)年に廃車となり、三岐鉄道へ譲渡され、1984(昭和59)年に廃車されました。その後、いなべ市の中央児童センターで保存されていましたが、2016(平成28)年にここに移されています。

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三岐線で活躍したことがないですが、3L(SL・EL・DL)の保存に参加する形です。

≪DB25号機 経歴≫
1971(昭和46)年から18年間、現在のJR関西本線・八田駅構内でセメント用貨車の入換えに使用されていました。現役引退後、三岐通運・藤原営業所に保存されていましたが、三岐線70周年を機にここへ移されています。

≪駅からの眺め≫
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ホームから富田方面を眺めています。尾根の手前で左にカーブして行きます。 / 森の手前にある車止めで、レールが終わっています。
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終点駅の車止め部分から眺めています。島式ホームの左側は「ウィステリア鉄道」の車両展示に使用されており、右側の分岐は電車の留置が可能です。

≪三岐線の起こり (主要部分のみ)≫
鉄道敷設法・別表75項(大正11年)には、「三重県四日市ヨリ岐阜県関ケ原ヲ経テ滋賀県木ノ本ニ至ル鉄道」と記される通り、1928年に藤原鉄道に対し四日市市-関ヶ原町間他の鉄道敷設免許状が下付されました。

1931年に富田-東藤原-西藤原が開通しましたが、西藤原-関ヶ原の免許が失効し、「三岐線」の路線名が中断されたまま、現在に至っています。